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Claude Codeで人材紹介をハイテク事業に変える10の方法

人材紹介会社の仕事は、突き詰めると「同じ情報を相手に合わせて何度も書き直し、人と人をつなぐ」作業の連続です。企業から求人を預かり、候補者を集めて理解し、両者をつなぎ、選考を通して入社まで見届ける。その一つひとつで、求人票・スカウト・提案・推薦・調整と、形を変えた文章とやり取りが積み重なります。ChatGPTで一部を手伝わせている方は多いと思いますが、「チャットで都度お願いする」止まりになりがちで、自社のやり方が仕組みとして残っていきません。

Claude Codeを使うと、自社のフォルダにある会社情報・求人・候補者ファイルをそのまま読み込ませ、自社のルールやクライアントごとの文体を覚えさせた上で、同じ品質の成果物を繰り返し作れます。さらに大きいのは、一度きりのチャットで終わらせず、一連の作業をワークフローとして組んでおけること。毎回ゼロから指示しなくても、自動で動いてくれます。応募者管理システム(ATS)を置き換えるものではなく、ATSが扱わない「文章の作成」「一人ひとりへのパーソナライズ」「ツールをまたいだ作業」を引き受ける、いわば専属のアシスタントです。

筆者は、採用担当・HRテック・人材紹介の領域に携わったことがあり、今はフリーランスのマッチング事業を運営しています。この記事で挙げる使い方は、その現場で実際にClaude Codeを動かして確かめたものです。

この記事は、人材紹介会社が自社の業務をClaude Codeで内製化・自動化するためのガイドです。業務フローに沿って、企業を開拓するところから候補者の選考・結果連絡まで、企業を担当するリクルーティングアドバイザー(RA)と、候補者を担当するキャリアアドバイザー(CA)の両面から、仕組み化できる10の工程を取り上げます。まだ使い始めていない方は、先に Claude Codeデスクトップアプリのインストール方法 もどうぞ。

01 法人開拓・リスト作成:データベースが基本、Claude Codeは候補者起点の発掘に

正直に言うと、法人開拓はClaude Codeの出番が大きい工程ではありません。人材紹介では、HERPのような求人データベースを使って案件を探すのが一般的で、ここはすでに仕組み化されているからです。無理に置き換える必要はありません。

Claude Codeが効くのは、候補者起点で動くときです。面談した候補者のやりたいことに合う求人が、手元のデータベースに見当たらない。そんなときに、Web上の公開情報から条件に合いそうな企業を探したり、気になる企業が実際に出している求人を確認したりするのを任せられます。データベースの中だけで完結させず、候補者に本当に合う一社を外から見つけにいく、という補助的な使い方です。

面談した候補者の希望に合いそうな企業を、公開情報から探してください。

■ 候補者の希望(面談で聞いた内容)
- やりたいこと:
- 業界・規模・働き方の希望:
- 避けたいこと:

■ お願い
- 希望に合いそうな企業を、Webの公開情報から候補として挙げる
- 各社について「なぜ合いそうか」「いま採用していそうか」の根拠(採用ページ・ニュースなど)を、出典URL付きで一言
- 確実でない点は「要確認」と書く(憶測で埋めない)

頻度は多くないかもしれませんが、「この人にぴったりの会社が、データベースに載っていない」という場面で効きます。

BEFORE候補者に合いそうな企業がDBになければ、手で検索して探す。
AFTER候補者の希望から、合いそうな企業を公開情報で洗い出す。

02 求人ヒアリング:議事録を即・要点とToDoに変えて、後続につなげる

ヒアリングそのものは人の仕事です。そして、録音の文字起こしや議事録化は、正直なところNottaのような議事録ツールを使うのが早く、ここをClaude Codeで全部やろうとする必要はありません。ツールには得手不得手があります。

Claude Codeが効くのは、その議事録を受け取った後です。文字起こしを読ませて、後続の作業が楽になる形に整えます。

ヒアリング 人が行う 議事録ツール Notta など CLAUDE CODE 要点整理・要件化 抜け検知・ToDo化 保存 & 次工程 求人票へ
議事録は専用ツールで文字起こし、Claude Codeで使える形に整えて次へ渡す
  • 要点の整理(長い議事録から、求人に関わる要点だけを抜き出す)
  • 求人要件への構造化(任せたい業務・必須・歓迎・人物像・条件に振り分ける)
  • 抜けの洗い出し(年収レンジや勤務地など、聞き漏れた項目を「要確認」として挙げる)
  • ToDo化(次にやること。求人票作成、候補者への連絡、再確認などをリストに)
  • 保存(案件メモや候補者データベースに残し、あとで引ける状態に)
クライアントとの求人ヒアリングの議事録(文字起こし)を渡します。後続の作業に使える形に整理してください。

■ 議事録
(ここに貼り付け)

■ 整理してほしい形
1. 要点(求人に関わるポイントだけ、箇条書きで)
2. 求人要件(任せたい業務/必須/歓迎/求める人物像/条件に振り分け)
3. 要確認リスト(年収レンジ・勤務地・選考フローなど、議事録で埋まっていない項目)
4. ToDo(次にやること。求人票作成、候補者への連絡、再ヒアリングなど)

■ ルール
- 議事録に書かれていないことは創作せず、3の「要確認」に回す
- 固有名詞・数字は議事録のまま正確に

議事録ツールで拾って、Claude Codeで使える形に整える。役割を分けるのが現実的です。そして、ここで構造化した要件が、次の求人票作成にそのまま渡せます。

BEFORE議事録を見返して要点と要件を手で整理。条件の抜けに後で気づく。
AFTER議事録から、要点・要件・ToDo・抜けが即座に揃う。

03 求人票作成:募集要項とヒアリングを、魅力が伝わる一本に

ヒアリングで得た一次情報(他社の求人票には載っていない、差になる情報)と、クライアントの募集要項。この2つをClaude Codeに渡し、要項の丸写しではない、候補者に魅力が伝わる求人票に仕上げます。

もとの情報 クライアントの募集要項 要件・条件・給与など ヒアリングで取る 一次情報 背景・本音・仕事の面白さ CLAUDE CODE 2つを統合し おすすめを整理 自社求人票 魅力が伝わる版
募集要項(表の情報)+ヒアリングの一次情報を、Claude Codeで一本の求人票に

落とし込みの流れは、次の3つです。

  • クライアントの既存の募集要項を受け取る(表の要件)
  • ヒアリングで、要項に書かれていない一次情報を足す
  • その2つをClaude Codeに渡し、おすすめポイントを整理した質の高い自社求人票を、すぐに仕上げる

要項の丸写しではなく、ヒアリングで得たことを織り込んで、候補者に魅力が伝わる原稿にする。ここがClaude Codeの使いどころです。

次の2つの材料から、候補者に魅力が伝わる求人票を作ってください。

■ 材料
1. クライアントの募集要項(原文):
(ここに貼り付け)
2. ヒアリングで分かった「要項に書かれていないこと」:
(例)増員の背景/入社後3ヶ月で任せたいこと/チームの雰囲気/
決裁者が本当に求めている人物像/この仕事の面白さと大変さ

■ 作ってほしいもの
- ポジション概要(3行)
- 業務内容(具体的なタスク)
- 必須要件/歓迎要件(要項とヒアリングを統合し、丸写しにしない)
- おすすめポイント3つ(一次情報を活かし、同職種の他社と差がつく点)
- 候補者が抱きやすい懸念と、それへの答え

■ ルール
- 募集要項にもヒアリングにも無い条件(給与・勤務地など)は創作しない。不明な項目は「要確認」と書く
- 誇張表現は使わない

できあがった原稿をもとに、媒体ごとの文字数やトーンに整えるところまでは、同じ流れで続けられます。ひとつ守りたいのは、募集要項にもヒアリングにも無い条件(給与や勤務地など)を埋めさせないこと。分からない項目は「要確認」と残す運用にすると、あとで事実と食い違う心配がありません。

BEFORE1本30分ほどかけて募集要項を転記。要件は揃っていても、候補者の心には響かない。
AFTER5分で、ヒアリングの一次情報を織り込んだ「響く」原稿に。※自社実測例(2026年5月時点)。削減幅は内容により異なります。

04 候補者集客・スカウト:母集団を太くし、一人ずつに刺さる声かけを

候補者と出会う入口は、大きく3つに分かれます。SNSや広告で集まってもらうインバウンド、スカウトサービスからこちらが声をかけるアウトバウンド、そして人からの紹介(リファラル)です。Claude Codeは、この3つのどの経路でも、母集団を太くしたり、一人ひとりへの声かけの精度を上げたりするのに使えます。

インバウンド SNS・コンテンツ X運用の自動化 / note・HP アウトバウンド スカウトサービス ビズリーチ ほか リファラル 紹介 紹介された人を下調べ CLAUDE CODE 公開情報を集めて 整理・補完する =出会いの精度を上げる 面談 候補者と出会う
候補者と出会う3つの経路と、Claude Codeの効きどころ

インバウンド:SNS・コンテンツで集まってもらう

集めたいターゲットを決めたら、その層に向けたXアカウントの運用を仕組み化できます。Claude Codeと予約投稿ツールを組み合わせると、おおまかに次の流れで自動化できます。

  • ターゲットと発信テーマを決める(誰に、何の専門家として見られたいか)
  • ネタを供給する(自社の動き・過去の発信・業界の話題をClaude Codeに読ませる)
  • 投稿文を複数案つくる(自社のトーンを覚えさせ、1つのネタから数パターン)
  • 予約投稿で配信する(Typefullyなどのツールに渡して、時間指定や連投を任せる)
  • 反応を見て、伸びた型を次に回す

下は、1つのネタからX投稿の案を出すときのプロンプトです。

次のネタをもとに、Xの投稿案を3パターン作ってください。

■ 前提
- 発信者:(例)人材紹介エージェント/自分の肩書き
- 届けたい相手:(例)転職を考え始めた30代の事業会社で働く人
- トーン:(例)現場目線、押し付けがましくない、絵文字は控えめ

■ 今日のネタ
(例)候補者面談で気づいた「いい転職をする人の共通点」

■ 条件
- 各案140字以内で、切り口を変える(気づき型/問いかけ型/事例型)
- ハッシュタグは付けても2つまで
- 誇張や煽りは避け、事実ベースで

3案を並べ、それぞれ「どんな人に響くか」を一行添えてください。

note・自社サイトも考え方は同じで、届けたい層に向けた記事を出し続ける仕組みにできます。スカウトのように一人ずつ当たるのではなく、集客の母集団そのものを太くしていく入口です。

アウトバウンド:スカウトサービスから声をかける

ビズリーチなどのスカウトでは、Claude Codeの使いどころが2つあります。1つはスカウト文面の作成、もう1つが、声をかける前の候補者情報の補完です。プロフィールに書かれていない経歴や関心を、本人が特定できる範囲で公開情報から調べ、誰に何を踏まえて送るかを固めます。

下は、声をかける前の下調べを任せるときのプロンプトです。紹介で出会った候補者の事前リサーチにもそのまま使えます。

次の候補者について、公開情報だけを使ってスカウト前の準備メモを作ってください。

■ 対象
- 氏名/現職(分かる範囲で):
- 参照してよい情報源:本人の会社の公式サイト、note、登壇資料、公開インタビュー、Xの公開投稿

■ まとめてほしいこと
1. 経歴のハイライト(直近の役割・実績を3点)
2. 最近の発信・関心テーマ(1年以内を優先)
3. 転職を考えていそうなシグナル(なければ「なし」)
4. スカウトで触れると響きそうな固有の事実を2つ
5. 扱いに注意すべき個人情報があれば指摘

各項目に出典URLを添えて、箇条書きで出してください。

ひとつ、共通する前提があります。参照するのは公開されている情報にとどめ、連絡先のような個人情報は外部に渡さない。この線引きを最初に決めておくのが安全です。

BEFOREスカウトは1通15分。つい定型文に流れ、開かれずに終わる。
AFTER3分で、相手の固有の事実から書いた一通に。※自社実測例(2026年5月時点)。削減幅は内容により異なります。

05 面談・カウンセリング:面談前に「経歴の要点・不足情報・アジェンダ」まで用意する

候補者との面談は、準備の差がそのまま当日の質に出ます。面談の前に職務経歴書を読んで要点を整理し、そこに書かれていない情報を公開情報から調べて補い、それらをもとに面談のアジェンダまで用意しておく。この一連の準備を、Claude Codeに任せられます。

やることは3つです。

  • 経歴書の要点整理(経歴のハイライト・強み・キャリアの軸を抜き出す)
  • 不足情報の補完(経歴書に載っていない活動を、本人の発信や登壇など公開情報から)
  • アジェンダ作成(聞きたい論点・深掘りの質問・確認したい条件を、当日の流れに沿って)
これから面談する候補者の準備をします。次を順にやってください。

■ 入力
- 職務経歴書(添付またはここに貼り付け):
- 提案を考えている案件があれば(任意):

■ やってほしいこと
1. 職務経歴書の要点整理(経歴のハイライト・強み・キャリアの軸を箇条書きで)
2. 経歴書に載っていない情報を公開情報から補う(本人の会社の発信・登壇・インタビューなど。各項目に出典URL)
3. 1と2をもとに、面談のアジェンダを作る(聞きたい論点・深掘り質問・確認したい条件を、当日の流れ順に)

■ ルール
- 公開情報で裏が取れないことは「未確認」と明記し、憶測で書かない
- 連絡先などの個人情報は外部に渡さない

私自身、面談前にこの準備をするのを習慣にしていて、経歴書を読み込ませて要点と論点を先に出しておくと、限られた時間でも聞きたいことを外さずに話せます。面談そのものは人の仕事ですが、準備の抜けをなくし、手間を減らすところは任せられます。面談後のメモは、項目2と同じ要領で「やりたいこと・条件・懸念」に整理して残せば、このあとのマッチングや求人提案にそのまま使えます。

BEFORE準備が間に合わず、面談はその場の思いつきで聞いてしまう。
AFTER経歴の要点・不足情報・アジェンダを用意して臨める。

06 マッチング:保存した求人から、候補者に合う案件を「理由つき」で挙げる

求人データベースを使っているなら、マッチングはその検索機能で足ります。候補者のニーズに合わせて条件で絞り込む、いつものやり方を変える必要はありません。

Claude Codeが効くのは、データベースを使わず、企業から預かった求人をローカルのフォルダやGoogleドライブにためている場合です。候補者のニーズ(やりたいこと・譲れない条件・避けたいこと)を書き出して、「保存してある求人の中から、これに合うものを挙げて」と指示すれば、条件を満たす求人を選び出してくれます。

出すのは、「なぜこの求人がこの候補者に合うのか」という理由を4〜5行で。やりたいことや条件との接点が言葉になっている方が、そのまま候補者への提案にも使えます。順位づけの点数ではなく、人が判断するための材料を言葉で渡すイメージです。

保存してある求人の中から、この候補者のニーズに合うものを選んでください。

■ 候補者のニーズ
- やりたいこと:
- 譲れない条件(年収・勤務地・働き方など):
- 避けたいこと:

■ 求人の置き場所
(ローカルのフォルダ名、またはGoogleドライブの場所。例:このフォルダ内の求人ファイルすべて)

■ お願い
- ニーズの条件を満たす求人をリストアップする
- 各求人について「なぜこの候補者に合うのか」を4〜5行で説明する(やりたいことや条件との接点を具体的に)
- 条件を一部満たさないが惜しい求人があれば、どこが合ってどこが外れるかも添える

■ ルール
- 求人ファイルに書かれていない条件は補わない。不明なら「要確認」と書く

合う・合わないの最終判断は人が握ります。Claude Codeは、保存した求人を全部見渡して見落としなく候補を挙げ、理由を言葉にするところを引き受けます。

BEFORE頭の中で照合し、相性のいい組み合わせを見落とす。
AFTER保存した求人を全部見渡し、合う候補が理由つきで挙がる。

07 求人提案:JDを「候補者主役」に翻訳して、受けたいと思わせる

ヒアリング済みの登録候補者に、その人に合う案件を提案する場面です。これまで、候補者ごとに提案文を書き分けるのは時間がかかるので、つい似たような文面に流れがちでした。けれど、ヒアリングで聞いた「やりたいこと」とJDをClaude Codeに渡せば、候補者を主役にした提案を、短い時間で、しかも質を上げて作れます。カスタマイズ・時短・質を同時に取りにいける工程です。

コツは、JDの要件をそのまま並べないこと。「この求人にはこういう要件があります」ではなく、「あなたがやりたいと言っていた◯◯が、この会社のこの仕事で実現できます」と、候補者の言葉に翻訳します。下が、実際に作れる提案メールの例です(CFO候補への提案。固有名詞は伏せています)。

件名:◯◯様のご希望に近いCFOポジションのご案内(シリーズBのSaaS)

◯◯様

先日のヒアリングで伺った「資金調達の上流から関わって、管理部門をゼロから作りたい」というご希望に近い案件が出てきたので、まずご相談です。

シリーズBのSaaS企業のCFO候補ポジションです。◯◯様に合いそうな点を挙げます。

・次の調達(シリーズC)が控えていて、資本政策の設計から投資家対応まで任される。やりたいとおっしゃっていた「調達の上流」にまさに関われます
・管理部門がまだ数名で、制度も採用もこれから。ゼロから作る経験が積めます
・代表が経営の議論にCFOを巻き込む方で、数字だけでなく事業に踏み込めます
・フルリモート可。希望されていた働き方とも合います

「上場経験が必須では」と気にされていた点は、今回は未経験前提でも歓迎とのことでした。

ご興味あれば、私から先方に◯◯様のご経歴をお伝えしてカジュアル面談をセットします。「まず話を聞いてみたい」くらいで大丈夫です。いかがでしょうか。

JDの要件を並べるのではなく、ヒアリングで聞いた「やりたいこと」を主役にして、案件をその人の言葉に翻訳しているのがポイントです。気にしていた懸念(上場経験)にも先回りしています。これを作るプロンプトがこちらです。

すでにヒアリング済みの登録候補者に、その人に合う案件をメールで提案します。候補者が「この企業を受けたい」と思える文章を作ってください。

■ 候補者(ヒアリング済みの内容)
- やりたいこと・転職で叶えたいこと:
- 重視する条件(働き方・年収・役割など):
- 懸念・避けたいこと:

■ 提案する案件(JD)
(ここに貼り付け)

■ 書き方
- 候補者を主役にする。JDの要件を並べず、「あなたのやりたい◯◯が、この会社のこの仕事で実現できる」という形に翻訳する
- 候補者が喜びそうなポイントを3〜4行で具体的に(やりたいことと案件の接点・成長機会・待遇など、ヒアリングで分かった関心に合わせる)
- 「こういう企業ですが、どうですか」という提案・相談のトーン。売り込みすぎない
- 懸念には先回りして一言触れる
- 形式的な前置きの挨拶は省き、本題から入る

■ 出力
- 件名
- 本文(なぜ今あなたにこれを → 魅力3〜4点 → 懸念へのフォロー → 次の一歩の提案)
- 条件にない情報(年収など)は創作せず「要確認」と書く

一人ずつ手書きする時間をかけずに、候補者から「この会社、受けてみたいです」と言ってもらえる提案を用意できます。

BEFOREJDの要件を並べた事務的な連絡。読まれずに流される。
AFTERやりたいことを主役にした提案。「受けたい」と言われる。

08 職務経歴書の添削:JDに合わせて強みを立て、経歴の正確さは二重で守る

候補者から預かる職務経歴書は、そのままでは強みが十分に伝わらないことがあります。応募先のJDや要件に合わせて、強みが伝わる表現に整え、職種やレイヤーに合わせて書き分ける。この添削を、Claude Codeでリズムよく回せます。経歴書とJDを読ませて、要件に直結する経験を前に出し、応募先ごとに版を作り分けます。

ここで効くのが、過去の添削事例を読み込ませることです。添削には自社ごと・企業ごとの特色(どこを立てるか、どんな言い回しにするか)があります。これまで添削してきた経歴書をフォルダにためて参照させると、その水準と型に寄せた添削ができるようになります。使うほど、自社の添削レベルが再現されていきます。

そして、絶対に外せないのが経歴の正確さです。経歴の誤りは致命的なので、添削は「表現を整える」ことに徹し、事実は一切変えません。文章を作る工程と、原本と照らして事実が動いていないかを確かめる工程を分け、ダブルチェックを徹底します。

候補者の職務経歴書を、応募先のJDに合わせて添削してください。

■ 入力
- 職務経歴書(原本):
- 応募先のJD:
- 過去の添削例(あれば、フォルダを指定):このフォルダの添削済み経歴書を参考に、トーンと粒度を合わせる

■ 添削の方針
- 応募先のJD・要件に直結する経験を前に出し、強みが伝わる表現に整える
- 職種やレイヤー(メンバー/マネージャーなど)に合わせて書き分ける
- 過去の添削例があれば、その水準・言い回しに寄せる

■ 必ず守ること
- 事実は一切変えない。社名・役職・在籍期間・数字・実績は原本のとおり。盛らない・足さない
- 表現の調整にとどめ、経歴を「作る」ことは絶対にしない
- 添削後、原本と照合し、事実が変わっていないかをチェックして、変更点を一覧で報告する

強みの見せ方は磨いても、社名・役職・期間・数字といった事実は1ミリも動かさない。ここを守れることが、添削をAIに任せる前提になります。

BEFORE応募先ごとに手で書き直し、出来栄えにムラが出る。
AFTERJDに合わせて強みを立て、過去の添削の水準にそろう。

09 候補者推薦:実績で信頼を得て、人柄で背中を押す

クライアントに候補者を推す推薦文には、効く型があります。Claude Codeに経歴書と求人要件を渡せば、この型に沿った推薦文を作れます。構成は、全体で4〜6行です。

  1. お名前・所属・主な実績
  2. 企業のニーズに照らして「こういうことができるので、自信を持って推薦できます」と伝える
  3. 面談で分かった人柄に触れる

そして「ぜひご面談いただけますと幸いです」で締めます。トーンは基本フォーマルで、関係性によってはカジュアルにしても構いません。

ここで一番大事なのは、最後の人柄です。実績や要件への適合は経歴書から書けますが、人柄は、エージェントとして実際に面談したからこそ分かること。経歴書には載らない、会って初めて見える部分です。ここはAIには書けないので、面談で感じたことを人が言葉にして渡します。実績で信頼を得て、最後に人柄で背中を押す。この締めくくりが、推薦の説得力を決めます。

◯◯様(株式会社△△ 経営管理部長)をご推薦いたします。同社では資金調達と管理部門の立ち上げを主導され、シリーズBからCにかけての資本政策と月次決算の整備を一気通貫で担われました。貴社が求められる「調達フェーズを支えるCFO候補」として、実績の面から自信を持って推薦できます。面談では、現場を巻き込みながら着実に仕組みを作る方で、声高に主張せずとも周囲の信頼を集めるお人柄とお見受けしました。ぜひ一度ご面談いただけますと幸いです。

これを作るときのプロンプトがこちらです。人柄は、面談で感じたことをエージェントが書いて渡す前提にしています。

候補者を、応募先の企業に推薦する文章を作ってください。

■ 入力
- 候補者の経歴書:
- 応募先の求人要件:
- 面談で感じた人柄・所見(エージェントが記入):

■ 構成(全体で4〜6行)
1. お名前・所属・主な実績
2. 企業のニーズに照らして「こういうことができるので、自信を持って推薦できる」理由
3. 面談で分かった人柄(経歴書からは読み取れない、会って分かったこと)
- 締めは「ぜひご面談いただけますと幸いです」

■ トーン
- 基本はフォーマル(関係性によってはカジュアルも可)

■ 必ず守ること
- 社名・役職・数字・市場区分は経歴書と照合してダブルチェックする。誤りは致命的
- 経歴書や面談所見にない事実は書かない

社名・役職・数字・市場区分といった事実は、経歴書と照らしてダブルチェックします。個人情報に関わる部分の誤りは致命的なので、ここは添削(項目8)と同じく、確かめる工程を必ず分けます。

BEFORE経歴と実績の羅列になりがちで、決め手に欠ける。
AFTER実績に面談で見た人柄を添えて、「会ってみたい」と思わせる。

10 選考調整から結果連絡まで:面倒な往復を、質を保ったまま速くする

選考が始まると、日程調整・面接対策・結果連絡と、こまかいやり取りが一気に増えます。件数が多く、しかも対応が遅れると候補者の温度が下がる。ここは「質を落とさず、速くする」のがClaude Codeの役割です。効くものを3つ挙げます。

日程調整

GoogleカレンダーやGmailと連携して、面談候補日の提示文や、調整メールの下書きを用意できます。空いている枠を見て候補日を3つ入れた連絡文を作る、といった往復の多い作業を任せられます。送信は人が確認してから、が前提です。

面接対策

同じ企業に何度も候補者を紹介していると、選考の傾向が見えてきます。過去のフィードバックをためて読み込ませれば、「この企業は過去こういう点を見ている」という傾向をデータとして整理できます。それを今回の候補者に合わせて、備えるべき論点や想定質問に落とせます。紹介を重ねるほど、対策の精度が上がっていきます。

この企業に過去紹介した候補者の選考フィードバックを読み込んで、面接対策メモを作ってください。

■ 入力
- 過去のフィードバック(このフォルダ内の、当該企業の選考結果・面接コメント):
- 今回の候補者の経歴:

■ まとめてほしいこと
- この企業の選考でよく見られる傾向(重視する点・落ちやすい点)
- 今回の候補者が、その傾向に照らして備えておくべき論点
- 想定質問と、答え方のポイント

■ ルール
- フィードバックに書かれていないことは推測で断定しない
- 個人が特定される他候補者の情報は出さない

結果フィードバック

企業から届いた選考結果を、候補者に送る連絡文に整えるのは、地味に手間のかかる作業です。通過なら次のステップを前向きに、見送りなら温度を下げないトーンで、企業のコメントは伝えてよい範囲に整える。この文面づくりをClaude Codeで効率化できます。

企業から届いた選考結果を、候補者に送る連絡文に整えてください。

■ 入力
- 企業からの結果連絡(原文):
- 候補者との関係性・温度感:

■ お願い
- 通過の場合:次のステップと日程感を、前向きに
- 見送りの場合:候補者の温度を下げないトーンで。可能なら次につながる一言
- 企業のコメントは、候補者に伝えてよい範囲に整える(角の立つ表現は和らげる)

■ ルール
- 企業が言っていないことを足さない
- 事実(選考段階・次のアクション)は正確に

このあたりのメール作成や調整は、一つひとつは小さくても、積もると大きな負担です。質を保ったまま速くこなせると、候補者を待たせずに済み、最後まで伴走を切らさずにいられます。

BEFORE日程調整や連絡の往復に追われ、返信が後回しになる。
AFTER下書きが用意され、質を保ったまま速く返せる。

まとめ:仕組み化で変わるもの、変わらないもの

人材紹介でClaude Codeが引き受けるのは「情報の翻訳・組み替え・パーソナライズ」と、ツールをまたいだ事務の部分です。下の10個が、この記事で紹介した仕組み化できることです。

  1. 法人開拓・リスト作成
  2. 求人ヒアリング
  3. 求人票作成
  4. 候補者集客・スカウト
  5. 面談・カウンセリング
  6. マッチング
  7. 求人提案
  8. 職務経歴書の添削
  9. 候補者推薦
  10. 選考調整から結果連絡まで

一方で、候補者と信頼関係を築くこと、面談で人を見極めること、誰を推すかの最終判断、レファレンスで裏を取ること。ここは人が握り続ける領域として残ります。

そして、これらが本当に効いてくるのは、自社のやり方を1か所に書きためてからです。これまで培ってきた経験、つまりどんな候補者をどう口説くか、どのクライアントに何が響くかといった勘どころをClaude Codeに伝え、育てて、任せていく。蓄積するほど成果物は自社仕様になり、育てる過程を踏むからこそ、任せても質は落ちません。ここで挙げた工程は、一つずつ使うだけでなく、ヒアリングから求人票・スカウトまでを1本のワークフローにつないで繰り返し動かせます。その進め方は 人材紹介の採用業務をワークフロー化する方法 にまとめました。

そうして書き直しや事務に取られていた時間が空けば、時間の使い方そのものが変わります。空いた時間を、候補者一人ひとりと向き合うことに使える。事務はAIに、人は人にしかできない仕事に。もっと候補者に時間を使える環境が手に入ります。これが、人材紹介をハイテク事業に変えるということの中身だと考えています。

クロトレでは、ここで紹介した一つひとつを、それぞれの会社の業務に合わせて一緒に作り、自分たちで回せる状態まで伴走しています。人材紹介会社向けの具体的な進め方は 人材紹介会社向けの Claude 活用 でも紹介しています。まずは、いま最も時間のかかっている工程を1つ選んで、相談から始めてみてください。

FAQ

よくあるご質問

Claude Codeは人材紹介のどんな業務に使えますか?

法人開拓のリスト作成、求人ヒアリングの設問設計と議事録整理、求人票作成、候補者へのスカウト、面談準備、候補者と求人のマッチング、求人提案、職務経歴書の添削、企業への推薦文、選考の日程調整から結果連絡まで、文章の作成と情報の組み替えが中心の工程に幅広く使えます。応募者管理システム(ATS)の置き換えではなく、ATSが扱わない非定型の作業を引き受ける位置づけです。

候補者の個人情報を扱っても大丈夫ですか?

個人情報の扱いには注意が必要です。スカウトや提案の作成では、外部に渡す情報からメールアドレスや電話番号を除く、公開情報の利用は各媒体の規約の範囲にとどめる、といった運用が前提になります。職業安定法や個人情報保護法に沿った設計を最初に決めておくことをおすすめします。

ChatGPTでも同じことができるのではないですか?

チャットでの単発の文章生成は他のAIでもできます。Claude Codeの違いは、自社のフォルダにある会社情報・過去の求人票・候補者ファイルをそのまま読み込み、クライアントごとの文体や自社のルールを覚えさせて、同じ品質で繰り返し再現できる点にあります。

エンジニアでなくても使えますか?

使えます。デスクトップアプリなら黒い画面でのコマンド操作は不要で、日本語で話しかけるだけで動きます。コードを書かない人材紹介・士業・経営者の業務に向いています。

候補者の公開情報は、どこまで参照していいですか?

会社の公式サイト、note、登壇資料、公開インタビューなど、公開されている情報の範囲で参照します。各媒体の規約に沿って使い、連絡先などの個人情報は外部のAIに渡さない運用にしておくと安全です。

導入してすぐに成果が出ますか?

最初は1つの工程(たとえば求人票か求人提案)に絞って型を作るところから始めると効果を実感しやすいです。自社のルールを覚えさせるほど精度が上がっていきます。

Writer

木村和弘(株式会社アルリーチ 代表)

木村和弘

株式会社アルリーチ 代表

Claude Code/Claude Cowork の活用研修「クロトレ」を運営。経営者・士業・人材紹介会社が、AIで業務を自分で内製・自走できるようにする個別顧問・研修を提供しています。CFO仲介事業の運営を通じて、財務・経営の実務にもAIエージェントを日常的に活用しています。

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